雪が溶け始める頃ですが、実際の日本では積雪の最盛期。特に日本海側では大雪となります。
雨水の末候あたりになると、太平洋側では雪から雨に変わっていきます。
雨に変わってくると農作業の準備が始まります。
旬の野菜:からし菜(高菜)
ピリリとした辛みがある葉菜です。地方によっては高菜と呼ばれます。
ミネラルやβカロテンが豊富ですが、特に目を見張るのは「葉酸」で不足しがちな妊婦さんに最適です。
葉酸はビタミンB12と協力して血液を作ってくれるので、貧血になりやすい女性は鉄分と一緒に取ると効果的です。
旬の魚:むつ
高級魚のため店頭に出ることはあまりなく、なじみのない魚ですが脂も多くとてもおいしい魚です。
不飽和脂肪酸を多く含み、血流改善やコレステロール値を低く抑えてくれるなど、様々な作用を持っています。
アミノ酸や抗酸化作用予防にも期待できるので、おいしくいただきましょう。
煮つけにしたり、焼き魚や鍋物もおすすめです。
ただ、クロムツには少量の水銀が含まれているので特に妊婦の方には注意が必要です。
初候:土脉潤起 つちのしょううるおいおこる
雨が降って土が湿り気を帯びる頃。
雪から雨になるには少し早いですが、これから始まる春に思いをはせる季節になってきます。
雨が冷えて固まった地面をうるおいほぐし、冬の間に集めた栄養分を春の作物に与える準備を行います。
次候:霞始靆 かすみはじめてたなびく
霞がたなびき始める頃。
霞とは霧や靄(もや)などで向こう側が見えにくくぼやけている様子を表しています。
気象学の用語ではなく、春の季語として用いられています。
物語や音楽の歌詞としてよく用いられていますね。
霞が発生する理由は様々ですが、向こうが見えにくいほどになるのは空気中の湿度が100%に近くなって水蒸気が水滴になるほど大きくなったためです。
濃い状態が「霧」、薄い状態が「靄」と呼ばれています。
また、夜の霞を「朧(おぼろ)」と呼びます。
世界を変える幻想的な景色を昔の人々は美しい言葉で表すために、様々な表現で私たちの心に語り掛けてきます。
末候:草木萌動 そうもくめばえいずる
草木が芽生え始める頃。
足元や庭木の先を見ると緑が色づき始めてきます。モノクロの景色が色づきはじめると気持ちも彩り始めます。
だんだんと日差しも暖かくなり、生命の力が強くなってくると世界が動き出すように感じます。
農作業の準備も大きく進み出す頃で、苗床の準備やもうすでに苗が作られている作物も出てくる頃です。